イベント・お知らせ
庄内ふむふむふむ11
「温海町森林組合」
鶴岡中央高校 生徒取材
日本の国土の約7割を占める森林。 ここ庄内でも珍しい風景ではありませんが、 どのようにして維持・保全されているか、ご存知でしょうか? 温海町森林組合のお2人に、 事業や森林の「今」について伺いました。

森林組合って?
苗木を植え、育て、木材として出荷することを柱に、さまざまな方が所有する地域の森林をともに維持管理する事業を展開する組織です。県内にある13の森林組合は、その多くが市町村を越えた合併により大規模化しましたが、設立60年目を迎えた現在も、温海町森林組合は単独で事業を行っています。
ちなみに、「温海町」というのは鶴岡市と合併する前の旧名で、組合があるエリアは現在「温海地域」と呼ばれていますが、設立からの名前を大切に使い続けているんだそうです。

温海町 森林組合の 特徴は?
日本海の暖流などの影響で、市内の他地域と比べて降水量が多い温海地域は杉の生育に適していて、豊富な森林資源を有していること、早くから雇用形態を整えてきたこともあり、多くの若手職員が定着し活躍していることなどが特徴だといいます。





森林、 最近どんな状況?
SDGsなど、世界的な環境保護意識の高まりもあり、CO2吸収源としての注目が高まってきているそうです。 CO2吸収・排出量削減に貢献した組織や事業を国が認証し、それを支援する組織とマッチングすることで、国全体でCO2排出量削減を目指す「J―クレジット制度」が2013年から始まっていて、温海町森林組合でも認証取得に向けて動いているとのことでした。
一方で、地域に目を向けると、かつては森林の所有者の大部分がその土地に暮らしていましたが、世代交代や時代の流れで森林と離れた土地で暮らす人が増えたため、温海町に限らず多くの地域で、森林を所有する意味や活用方法を知らない所有者が増加傾向にあるといいます。


Forest Feel Seminar
森林の所有者にあらためて森林の価値や活用方法を伝えること、たくさんの人に地域の森林の魅力を知ってもらうことを目的に、温海町森林組合が今年度からスタートしたワークショップシリーズです。5月17日に第1回を開催し、森林や温海町森林組合についての座学、森林散策とワラビ採り体験を行ったそうです。
今後は重機やチェーンソーによる伐採・伐倒作業の見学、苗木の植え付け体験、マイ箸づくり、焼畑あつみかぶの収穫体験、関川しな織でコースターづくりなど、盛りだくさんの内容で第6回まで開催予定です。




高校生の皆さんへ
「森林組合の一員として高校生に伝えたいことは?」。最後にこんな質問をぶつけてみると、「この仕事のかっこよさを知ってほしい」と雅樹さん。「健全な森林を守っていくということは、温暖化から地球を、水害などから地域の暮らしを守ることにもつながっていく、責任とやりがいの大きな仕事です。重機やチェーンソーを使って、大自然と対峙するスケールの大きさも魅力だと思うので、ぜひ1度遊びに来てほしいですね」。


東京で生まれ育ち、結婚を機に温海地域に移り住んだ菫さんは、移住当時から抱き続ける思いについて話してくれた。「初めて温海に来たときに、自然の豊かさ、美しさが本当に素晴らしいなと思って、この風景をずっと残していきたいと思ったんです。Forest Feel Seminarを通じて森林を体感してもらうことで、1人でも多くの人に地域の自然を好きになってもらえるとうれしいですね」。

温海町森林組合
住所 鶴岡市大岩川字木揚場8
電話 0235-43-2313
公式HP https://www.shinrin-atsumi.or.jp/
Forest Feel Seminar https://www.shinrin-atsumi.or.jp/ffs
取材後記

間近で見たチェーンソーでの伐倒作業は、想像以上の迫力でした。木材として使えるまでに育つには、60年という長い時間、たくさんの人の手と思いがかけられていることを知り、木をもっと大切にしていきたいと思いました。(小林)
林業など第一次産業は高齢の方が多いと思っていましたが、20代の方も多く活躍していると知り驚きました。Forest Feel Seminarを通じてたくさんの人が森林の魅力に気づき、地域の自然に関心を向けてくれるといいなと思いました。(上林)
「庄内ふむふむふむ」は 庄内2市3町「庄内広域行政組合」、 山形県庄内総合支庁が応援しています。
取材・編集・文=クレードル編集部、工藤拓也 / 写真=間真由美 / 協力=温海町森林組合、鶴岡中央高校
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Cradle編集部Cradle Editors
庄内の魅力を発信する、出羽庄内地域文化情報誌「Cradle(クレードル)」を隔月で発行。庄内に暮らし、庄内を愛してやまないメンバーたちの編集チームです。