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庄内いいかも! 1
酒田市大沢地区 & 酒田南高校
Interviewed by 遊佐高校

暮らし・ライフスタイル

庄内いいかも! 1
酒田市大沢地区 & 酒田南高校
Interviewed by 遊佐高校

2026/07/01

秋田名物として知られる「じゅんさい」、量こそ多くはないものの、実は庄内でも採れるんです。
酒田市大沢地区で、そんな隠れた魅力に焦点を当て、住民とともに地域活性化に取り組む高校生たちがいます。

地域活性化に取り組む酒田南高校生(左から)2年 石垣陽翔(ひろと)さん、2年 澁谷逞磨(たくま)さん

大沢地区って?

酒田市の北西部、八幡地域(旧八幡町)の中山間部に位置する地区のこと。市街地から車で25分ほどの距離ながら自然豊かで、その環境を活かした林業・稲作農業が主な産業です。地区内を流れる荒瀬川沿いに集落が点在しており、2024年7月の豪雨により大きな被害を受けた地区の1つでもあります。

夏にはライトアップもされる地区のシンボル、大沢「大」文字。「子どもたちを元気づけたい」と1人の住民が山の斜面の草を刈り描いた2004年から、有志が定期的に手入れを続け受け継いできたものだ。
旧大沢小学校を活用した地域活動の拠点である大沢コミュニティセンターからは「大」の字が見える。

高校生との交流は、いつから?

大沢地区と酒田南高校との交流がスタートしたのは、2025年度のこと。地域を知り、災害復興や地域活性化についてともに考えるため、特別進学コースの1年生総勢31名が、1年をかけてフィールドワークや地域の人々との対話を重ねてきました。いくつかの班に分かれてさまざまな取り組みの企画を進める中で、複数の班がそのメインコンテンツとしたのが「じゅんさい沼」でした。

じゅんさい沼でのフィールドワークでは、収穫作業の他、雑草取りなど保全活動にも取り組んでいる。写真提供=COCOSATO
写真提供=COCOSATO

じゅんさい沼って?

秋田名物として知られる「じゅんさい」が自生する大沢地区にある沼で、地区共有の農業用のため池としてつくられたもの。いつからかじゅんさいが自生するようになり、地区のおばあちゃんたちが農作業の合間に収穫し、自分の家で食べたりお裾分けをしたりしてきました。そのような習慣も15年ほど前から途絶え、誰も訪れることがなくなっていたところに地域おこし協力隊として赴任したのが、現在酒田南高校との交流でコーディネーター役を務める阿部さんでした。「じゅんさいという珍しいものが自生しているのに、何もしないのはもったいない」と思い、地区の方々とともに収穫を再開、県外などからも収穫体験に訪れるコンテンツとして復活させました。

写真提供=COCOSATO
「じゅんさい」とは多年生の水草の1種。食用とするのは粘液質に覆われた若い葉や茎で、旬である初夏から夏にかけてにぴったりの、ツルッとした喉ごしが特徴。『古事記』や『万葉集』にもじゅんさいと思われるものの記述があるほど、食用の歴史は古い。写真提供=COCOSATO

じゅんさい沼で、何をする?

1年次から大沢地区との交流に参加し、じゅんさい沼にフォーカスした企画を考えた澁谷さんと石垣さん。澁谷さんの班は、1年を通じて外から人が訪れるきっかけをつくりたいと考え四季折々の体験型イベントを企画、夏のイベントをじゅんさい採りにしたそうです。「人口減少に伴い地域行事も減ってきていることが課題の1つだと感じ、地元の人も外から来た人も一緒に楽しめるイベントがあれば、地域が盛り上がるかなと考えました」。
一方で、じゅんさいに特化した企画を考えたのが石垣さんの班。「沼で舟に乗ってじゅんさいを収穫してもらい、その後は地域の人に教えてもらいながら調理して食べる、じゅんさいづくしの企画を考えました。気に入ったら買って帰ってもらえるよう、今後はおみやげ品の準備もするつもりです」。

大沢地区のこれから。

澁谷さんと石垣さん、2人ともにじゅんさい沼を企画の中心に据えた背景には「とにかく楽しかった」という自身の体験があるといいます。「もう何度か舟に乗ってじゅんさい採りをしていますが、何度やってもとにかく楽しいんですよね。この豊かな自然を活かしたイベントで、たくさんの人が大沢地区を訪れるようになるといいなと思っています」と澁谷さん。「実は僕、大沢に住んでいるんですが、この取り組みに関わるまでじゅんさい沼のことを知らなくて。でも、実際に収穫してみたら、時間を忘れるほど楽しかったんです。取り組みをすぐに人口増加につなげることは難しいかもしれませんが、まずは庄内の他地域も含めたくさんの人に大沢地区のこと、ここでの楽しみを知ってもらいたいですね」と石垣さん。

高校生との交流に、地域の代表として携わる、大沢コミュニティ振興会会長の後藤さん、コーディネーター役の阿部さんも「若い人たちとの交流が広がるのは本当にありがたいです。大沢の豊かな自然とおいしい食べものを味わいに、ぜひ1度遊びに来てほしいですね」「酒南生だけでなく、市街地の小学生など、実は最近新しい交流が増えてきています。大沢地区が、いろんな人たちが集まって、一緒におもしろいことができる場所になるといいなと思いますね」とこの取り組みへの思いと、大沢の未来について話してくれました。

(左から)合同会社COCOSATO 代表 阿部彩人さん、大沢コミュニティ振興会 会長 後藤正一さん
じゅんさい採り用の舟は、すべて後藤さんの手づくり。正確な設計と丁寧な施工で、まったく水が入ってこないように仕上げてある。
取材後記
Interviewed by 遊佐高校(左から)3年 松本杏彩(あさ)さん(左)3年 中川海斗(かいと)さん

私も、遊佐町で豪雨災害の復興に携わっていたため、同じように地域に関わる仲間に出会えてうれしくなりました。地域活性化の仕事に関心があり、大沢地区の取り組みについて知ることができ勉強になりました。じゅんさいを採りに、夏にまた来てみたいです。(松本)

かつては地域で当たり前に収穫され食卓に並んでいたじゅんさいを、現代のニーズに合うように復活させ、地域活性化に活用している点に驚きました。自分が暮らす遊佐町にも、そんな隠れた魅力がないか探してみたくなりました。(中川)


「庄内いいかも!」は 庄内2市3町「庄内広域行政組合」、 山形県庄内総合支庁が応援しています。
取材・編集・文=クレードル編集部、工藤拓也 / 写真=間真由美 / 協力=酒田市大沢地区のみなさん、酒田南高校、遊佐高校


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この記事を書いた人

Cradle Editors

庄内の魅力を発信する、出羽庄内地域文化情報誌「Cradle(クレードル)」を隔月で発行。庄内に暮らし、庄内を愛してやまないメンバーたちの編集チームです。

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