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6年働いていても毎日楽しい発見の連続です

暮らし・ライフスタイル

6年働いていても毎日楽しい発見の連続です

2020/03/31

舞娘茶屋 相馬樓/竹久夢二美術館  女将 渋谷蘭子さん

扉を開けた瞬間、パッと目を引く赤い壁、艶やかな舞娘さん。この非日常を感じる空間が大好きで、遠くからの友人に庄内を案内する時には必ず足を運んでいます。観光的な使い方が多いけれど、こんなに素敵な場所なのだから本当はもっとふらっと地元の人も立ち寄ってもいいよね。ということで今回は相馬樓女将の渋谷蘭子さんに相馬樓の魅力について、おしゃべりがてらお伺いしました。

静けさに身を置き明日への活力に備える

「実はここで働く前から好きな場所でね、元々よく来ていたんですよ」

と、初っ端からグッとくるコメント。私も仕事柄様々なメディアの取材で足を運ぶことが多く、その都度女将からは相馬樓への愛情が伝わってくるのですが、実は随分前からの常連だったというのは初耳。

ここで働く前、渋谷さんは庄内の企業勤務、その後保険会社のセールスレディとバリバリ働きながら社交ダンスや音楽鑑賞と、仕事に趣味に勤しむ日々を送っていました。充実はすれども時には心をOFFにしたい日もある、と足を運んでいたのがここ相馬樓。特にお気に入りは中二階にあるお座敷から中庭を眺めるひとときだったそう。

取材の日は雪。「雪もすごく合うようね!」と盛り上がりました

「どんな季節や天候の日も素晴らしかったけれど、しとしと雨降りの日が一番好きです。落ち着くんですよね。ただひたすらぼーっとしていたんですけどね。ここで心を休めてチャージしたら、また明日からがんばろうって思えるんですよ」と当時を振り返ります。

時代や職場の変化を受け入れながら

渋谷さんが相馬樓女将として着任したのが6年前。現在は広報や全体のまとめ役として活躍中で、お邪魔した日も朝からテレビ番組の取材、韓国からの団体ツアー対応、その1週間後には海外メディアの取材もあるとのことで大忙し。時が経つにつれ訪れる客層に変化もありますが、今は県外や国外から足を運ぶ人が多いのだとか。

そんな多忙を極める女将に待望の助っ人が現れました。アメリカ生活の長い、経験のある方が「海外向けのアドバイザー」として着任。テーマ性のある情報発信や、海外から視察があればお礼状には舞娘さんの写真を使用したクリスマスカードを送るなど、きめ細やかできちんと相手に響くサポートを提案してくれました。

「こんな風に背中をバンバン押してくれる方が来てくれて本当に心強いし、ありがたいです」と、これを機に変化を柔軟に受け入れながら新たな舵取りに挑戦できていると言います。

「楽しみ」を見つける秘訣

例えば庭の草木、季節ごとに架け替える掛け軸、館内に活けたお花、建物を見ていてもいろんな仕掛けがあるので「毎日来ているのに全然飽きない」のだとか。

むしろその発見も年々増えていくようで「職場であって職場ではない」空間といいます。 そして仕事もそうだけれど趣味の時間をとっても大切にしていて、舞台や音楽鑑賞など「趣味の遠征」をする中で全国各地に友人ができました。

その友人たちへ庄内産の旬の野菜や果物を見繕ったり贈ったりすることで、時に自分も庄内を旅する気分に浸ることができるといいます。「みんながすごく喜んでくれるんですよ!そこで私も庄内の魅力を再認識しているのかもしれませんね」。

仕事以外の感性が開いているということが、巡り巡って仕事もいろんな視点で楽しめる秘訣なのかも。

「そうかもしれないですね、趣味を通じてたくさんの楽しみを味わっています。そしてご縁がありました。私、恵まれているんですよ、ご縁に。仕事だってそうです。周囲の人に助けられながらやっていますし、私自身もそんな風にご縁をつないで、ここにきた方には笑顔で帰ってもらえるとすごくうれしいです!」。

ご縁を大切にしている渋谷さんは、好奇心旺盛に庄内の魅力を繋いでいる大切なキーパーソン。お話していたらなんだか私も元気をもらえました。

もっと日常使い、してもいいですかね、と質問すると「もちろん!地元の方にももっと来て欲しいですよ。庄内には魅力溢れる美術館や建造物がたくさんありますし、ラーメンやお寿司、フレンチなど地元の美味しいお店などと一緒に巡りながら立ち寄ってもらえたら」と、うれしいお言葉を頂戴しました。

DATA

舞娘茶屋 相馬樓/竹久夢二美術館

江戸時代より料亭「相馬屋」として多くの旅人をもてなしてきました。明治27年の庄内大震災による火災で焼失したのち、残った土蔵をベースに再建。現在は舞娘さんの踊りと食事を楽しみながら湊町酒田を感じられる場所として観光客や地元の人に利用されています。お茶、売店のみの利用も可能です。

住所:山形県酒田市日吉町一丁目2-20
営業時間:10時~17:00(最終入館は16:30まで)
休業日:水曜(お盆・年末年始休業あり)

この記事を書いた人

Honma Satomi

山形県庄内在住のフリーランスフォトグラファー。地域の広告、各種出版物などの取材・撮影の傍ら、庄内の様々な魅力を伝えるべく活動中。
 

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