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【連載】古い町家の、暮らし時々おやつ日記②
「子育てとおやつ」

暮らし・ライフスタイル

【連載】古い町家の、暮らし時々おやつ日記②
「子育てとおやつ」

2020/09/08

子どもが生まれてから、生活は一変。1日のうち、自分だけの時間がいっときもない状況に、「こんなこと誰も教えてくれなかった…」とショックを受けました。子どもと過ごす穏やかな日々を夢見ていたのが、現実は記憶をなくすほど慌ただしく過ぎていく嵐のような日々でした。

長男・次男はやんちゃ盛り。

子どもが昼寝したわずかな時間、自分の時間を取り戻したい思いで、おやつを作り始めました。お金がないので、材料は農業をする主人の畑で採れた野菜。子どもの食べっぷりが良いものは何度も作って、自分なりのレシピができました。おやつ作りは、実益を兼ねた趣味になり、趣味はだんだん仕事になっていったのです。

狭いアパートの台所で、おやつのマフィンやパンをよく焼いていた。

地元のマルシェに出店するようになってからは、同世代のお母さんが「自分と子どものために」買ってくれることが多くなりました。顔を合わせて販売するためいろいろおしゃべりしますが、自然と話題になるのは子どものこと。その時のご縁に、今もずいぶん助けられています。

「こしゃってマルシェ」に出店。主なお客さんは、同世代の子を持つお母さん。

「古今」をオープンして、座敷をレンタルスペースとして開放しました。子育て中のお母さんたちがほっと一息つける場となればと思っていたのですが、しばらくすると子どもを連れて集まれる気軽なおしゃべりの場となり、いつの間にか月に一度のおしゃべり会が開催されるようになりました。そんな場所や仲間を得たことが、とてもうれしいです。

子育てに関係する人みんなのお弁当びらき会「idobataらんちたいむ」での1コマ。
ベビーマッサージ講座の様子。

お店をオープンして2カ月後に3番目の子が生まれ、今は毎日お店に顔を出せるわけではないけれど、マイペースにおやつを制作しています。長男と次男を幼稚園に送った後、末の子をおんぶしながらそれができるのは、お店と住まいがつながっているから。「仕事も子育ても、自分が思う通りにやりたい」というわがままを、今の暮らしは叶えてくれています。

母の作る素朴なおやつを、子ども達はいつまで食べてくれるのか…。

家事や育児をしながらお店を開くというのは、一昔前のスタイルになってしまったかもしれません。でも、そんなふうにお店に立っていたいと思います。私のおやつの仕事は、子どもとの暮らしの中から出てきたからです。子どもたちがもう少し大きくなったら、学校から帰るのを「おかえり」と言って迎えたい、お店の端っこで一緒におやつを食べながら、学校であったいろんなことを聞いてみたい、と思いを巡らせています。

今は小さな、でもどんどん変わっていく3人の子どもたちを見ながら、近い将来のそんな暮らしを想像している最中です。


おやつと居場所 古今 cocon
https://conconcocon.shopinfo.jp

この記事を書いた人
富樫あい子

Togashi Aiko

生まれも育ちも庄内。鶴岡市のまちなかの古い町家を直して、2019年より「古今cocon」として職住一体の暮らしを始めました。主人と共に「かしの木農園」の運営と、3人きょうだいの子育てをしています。

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