Gradle Plus

MENU
HOME記事一覧Cradle旅行倶楽部レポート
「新酒蔵元探訪」ツアーレポート

レポート

「新酒蔵元探訪」ツアーレポート

2019/07/01

豊かな水資源を誇る庄内は全国有数の米どころ。もちろん、「旨い酒」も自慢のひとつ!今回はクレードル旅行倶楽部でも人気企画、「酒蔵巡り」で新酒の仕込みにお邪魔いたしました。普段めったに見られない酒造り見学、そしておまちかねの試飲タイム!庄内18酒蔵のうち、2日間で4つの酒蔵をクレードル小林編集長が案内します。

1日目

1カ所目の酒蔵見学となるのは、JR鶴岡駅からバスで15分ほど、鶴岡市大山地区にある「加藤嘉八郎酒造」さん。庄内でも大きな蔵のひとつです。大山は江戸時代天領だったところで、歴史ある酒蔵が残る町です。

副杜氏工藤誠志さんからご案内頂き、まずは酒造りの行程を座学でスタート。仕込みの時期は毎日6,300kgのお米を精米、浸水、蒸す、発酵させるなどの作業を経て3ヶ月ほどかけて糀米にし、その後発酵、上槽(じょうそう)、滓引き(おりひき)などの行程を経て、ようやくお酒が完成します。普段は見られない酒造りの裏側もじっくり見学させて頂きました。

お土産に頂いた酒かすは、お味噌汁や甘酒、さっとあぶってそのまま食べても美味しいとのこと!

2軒目は、出羽三山神社の御神酒も手掛けている「竹の露」さんへ。地元山形の酒米「出羽燦々」などを使用した純米酒などが好評で、海外でも評価の高い酒蔵です。

今回は蒸し上げた酒米を麹にする作業「製菊(せいぎく)」シーンなどを相澤社長のご案内で見学しました。酒造りの要となる「麹」はまさに生きた酵母であるため、かき混ぜる、麹を入れた箱の位置を入れ替えるなど、徹底した温度管理を今も尚、人の手作業で行うのだとか。そのため夜も休むことなく、一定時間ごとに作業を続けます。酒作りは体力勝負ですが、徹底した手洗いなどで風邪をひくこともなく冬を乗り越えられるそうですよ。

はこの季節の味覚をたっぷりと味わうべく「すたんど割烹みなぐち」さんへ。「寒ダラ汁」、「白子の天麩羅」、「生たらこ」をのせたごはんなど、一番寒い時期に脂がのり、プリッと身がしまった「寒ダラ」の旨みを丸ごと味わうフルコースに舌鼓!もちろん庄内の地酒とも相性抜群です。お酒と楽しい会話が弾みました。

2日目

朝イチで向かったのは鶴岡市内のホテルからバスで30分ほど、庄内町の「鯉川酒造」さん。ササニシキやコシヒカリのルーツ米と言われている「亀の尾」はここ、庄内町が発祥の地です。

鯉川酒造さんは「亀の尾」を使用したお酒や、地元米を中心に使用した純米酒造りに奮起。特に熱燗で飲む純米酒にこだわりを持って製造しています。今回は今シーズン中、最も重要なお酒造りの現場を見学させて頂きました。気温が下がった蔵では蒸したお米の蒸気が上がり、蔵人たちの熱気をも感じるようでした。ワインソムリエの資格を持つ佐藤社長から、美味しい日本酒の温度、化学調味料を使用しないことで日本酒の味を邪魔しないおつまみを、試飲&試食しながらレクチャー頂きました。

お昼は余目駅前のクラッセにある「やくけっちゃーの」で贅沢に焼き肉ランチ。養豚が盛んな庄内は、臭みのない豚肉も評判。厚切り豚肉を目の前で焼きながらいただきます。酒かすドレッシングをかけた山盛りサラダ、つや姫ごはんも美味!

この旅のクライマックスとなるのは湊町・酒田市にある「酒田酒造」さん。「上喜元」の名前でも知られ、酒蔵界のカリスマと言われる佐藤正一氏が率いるこの酒蔵は、20年間で金賞を16回受賞するなど、高い実績を誇ります。

酒造りに大切な、重量を図る、徹底した温度管理など、自動で出来る作業もありますが、人の感覚、手作業を大切にしながら今も酒造りに励んでいます。「山田錦」「美山錦」など使用した純米酒や、地元の酒米「出羽燦々」を使ったお酒など、ニーズに合ったお酒造りが得意なのも、しっかりとした技術があるから。今回は酒造りの行程を杜氏でもある佐藤社長からゆっくりと丁寧にご説明頂きました。

この季節のならではの醍醐味を堪能できた2日間の行程は、ハイシーズンにも関わらず御丁寧にご説明頂いた酒蔵様のご協力があってこそ実現しました。改めて感謝申し上げます。そして酒蔵の貴重なシーンを見学できるのも「クレードル旅行倶楽部」ならでは。来シーズンの企画もお楽しみに!

(取材・クレードル編集部)

この記事を書いた人

Cradle Editors

庄内の魅力を発信する、出羽庄内地域文化情報誌「Cradle(クレードル)」を隔月で発行。庄内に暮らし、庄内を愛してやまないメンバーたちの編集チームです。

Cradle 最新号
クレードル旅行倶楽部
ONLINE SHOP
サポーター募集