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Cradle編集長 庄内ひとり歩き④
「新緑の月山山麓を巡る」

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Cradle編集長 庄内ひとり歩き④
「新緑の月山山麓を巡る」

2021/05/18

久しぶりのコラム掲載になってしまいました。
思ってもみなかったコロナ禍、そしてCradle創刊10周年、慌しく時が過ぎました。
コロナ禍から1年過ぎても状況はあまり変わりません。むしろ長引く中で私たちの心の中にも重くのしかかっています。
今年のGWは天候にも恵まれず自宅で過ごすことが多かったのですが、漸く五月晴れに恵まれた週末、自然の雄大な景色に触れたいと心が動きました。何処にしようか、月山を志津周辺から、或いは鳥海山を遊佐の山麓からゆっくり眺めたい。でも少し遠いな、午前中は予定があるし、そうだ久しぶりに月山高原牧場に行ってみよう、そこからの月山の景色に浸りたい。心が高鳴りました。

鶴岡のまちなから車で約30分、松ヶ岡開墾場の近くを通り、田植え最中の田や畑を見ながら山麓を奥へと進みます。羽黒の丘陵を過ぎて月山高原牧場が見えてきました。

「わぁー、月山がきれいだ」。目の前に聳える残雪を被った月山が雄姿を表します。展望台まで行ってみました。ここから眺める月山は最高です。

そして振り向くと山並みが続く向こうに鳥海山が見えます。日本海から裾野を曳くその姿はまさに秀麗という言葉が当てはまります。鳥海山は美しく、月山は雄大、どちらも大好きな山です。そして手前の羽黒丘陵から庄内平野、その奥に松林、そしてさらにその奥に細く日本海が見えます。何かゆったりとしたものの中にこころとからだが浸ります。若葉の緑が美しい、この景色の中にいるだけで心が満ちていきます。鳥のさえずりが聞こえ、遠くには牛が寝そべっている姿も見えました。

やはり人間はこういう自然の営みの中で生まれ、そこに戻ることで安らぎを覚えるのだなと実感しました。それにしても庄内の自然はなぜこんなにも豊かなのでしょう。海から程ないところに鳥海山が、そしてやや奥まって月山が聳えます。そこに積る豪雪が豊かな水源となり、また肥沃な土をもたらし庄内平野を潤します。そして日本海に注ぎます。四方を山と海に囲まれた庄内の美しさにこころが満たされ、この自然の中に暮らすことのありがたさを深く感じました。

展望台を後にし道路を下り、近くの三又ダムに寄りました。ここからの眺望も絶景です。

昼も過ぎ、お腹も空いてきたのでどうしようかと考え、久しぶりに立谷沢に行きたいと北月山荘まで足を延ばすことにしました。車窓から眺める山の緑もとてもきれいです。

10分ほどで月の沢温泉北月山荘に着きました。

春の訪れと共に4月15日から営業再開されましたが、新しくオープンした「お食事処月うさぎ」で休日20食限定の定食をお願いしました。予約はしてなかったのですが注文でき、鳥海山が見える窓際の席に座りいただきました。山菜の王様といわれるこしあぶらなどの天ぷら、ワラビ、孟宗汁、旬の食材の料理が程よい量でとても美味しく、食堂も落ち着く佇まいでした。

コーヒーもいただき一休みしたところで、外に出てみると、周りの山々の美しい新緑が私を誘います。小高い所にヒュッテが見え、そこまでは無理でも折角だからと、歩いて少し登ってみます。

ゆっくりゆっくり登りましたが、登れば登るほど景色が変わり、美しさが増していきます。
芽吹いたばかりの新緑を見ているだけで気持ちが穏やかになりました。

そして遥か彼方には鳥海山が見えます。月山は残念ながら陰になりその姿は見えませんが、これだけで十分。あまり無理せずにと、途中からまたゆっくりと降りていきました。

北月山荘の駐車場にはゼンマイが天日干しされ、そして近くにはクマの毛皮も干してあります。きっとこの春に捕獲されたものでしょう。館に戻り、今度はゆっくり月の沢温泉に浸りました。こころとからだがじわっと満たされていくのがわかります。

コロナ禍から1年、まだ先行きは見通せません。まだしばらく我慢が続きそうですが、感染に十分注意しながら、やはり時々は自然に触れたいと思います。自然の中でこそ穏やかな時間に戻れる。そう思いました。

この記事を書いた人
小林 好雄

Kobayashi Yoshio

株式会社出羽庄内地域デザイン代表取締役。地域文化情報誌「クレードル」編集長として自らツアーガイドも務める庄内の魅力発掘請負人。

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