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珈琲と花と暮らしが重なる交差点

暮らし・ライフスタイル

珈琲と花と暮らしが重なる交差点

2020/06/01

おやつと居場所古今 cocon  (後編) 

前編で触れたオーナー富樫さんの暮らしと一緒にお伝えしたいのが、この空間を盛り上げる「パラディーゾ」後藤さんと、「花のアトリエ チョコレートコスモス」齋藤さん、おふたりのストーリー。

庄内でそれぞれに活躍していたおふたりが、この場所にお店を開いてから感じることをお伺いしました。

(前編はこちらから

対話することでもっと美味しい珈琲に近づけました

焙煎とネット販売、そしてイベントで出張コーヒースタンドなどの活動していた「パラディーゾ」後藤さん。時折イベントなどで目にすると行列ができるほど後藤さんの淹れるコーヒーには定評があり、オーナーの富樫さんも信頼を置く腕前です。

後藤さんが焙煎・販売している「スペシャルティコーヒー」とは、生産から流通まで一貫したトレーサビリティがあること、自然環境や人道的な取り組みを尊重すること、品質に対する正当な対価が支払われていること、などを意味します。

少し説明チックにすると小難しく感じられるかもしれませんが

「コーヒー豆は、畑や風土で異なる味わいを持っています。野菜やお米など季節ごとに豊富な食材があって、本来食に敏感な庄内で暮らす人たちには、異なるコーヒーの特徴や味わいもきっと理解しやすいのではいのでしょうか」と、優しく紐解いてくれるのが、後藤さんならではスペシャルティコーヒー談。

現在「古今」では常時10種類ほどのコーヒー豆の販売とともに、淹れたてのコーヒーやカフェラテ、季節限定メニューなどを提供。店内の飲食スペースやテイクアウトでも気軽に味わえるようになりました。

(2020年4月現在はテイクアウトのみ対応しています)

やっぱりお客様は後藤さんのファンの方が多いのですか?と聞くと

「地元の方も多いですけど、観光客の方がジェットスターで庄内に遊びに来て、ネットやSNSを参考にして足を運んでくだることもあります」。

なるほど、これはイマドキな巡り方。そして観光の方には店内にある地元作家さんのセレクト品もうれしいだろうな。

もちろん、地元の常連さんも。

取材中には「あら、お久しぶり」と声を掛け合う人たちの姿も見られました。出勤前の朝一番に立ち寄って目覚めのコーヒーをいただく。時々会話もしながら、なんて憧れの朝時間を過ごせる場所があるっていいな。

「古今にお店を出してからはお客様と会話のキャッチボールをする中で、よりリクエストに近い焙煎ができるようになりました」と後藤さん。

コーヒーはもちろんのこと、店内の作品も、作り手の想いをきちん伝えていきたい。そしていろんな人が混ざり合うそんな中継地点になればうれしいと、語ってくれました。

花屋だからって身構えずにふらっと購入してくださる方が増えました

大きなガラス窓越しに人々を惹きつけるのは「花のアトリエ チョコレートコスモス」齋藤さんが手がけるドライフラワーや生花。これがあるのと無いのではお店の印象もだいぶ違っていたのではないでしょうか。

齋藤さんご自身も、以前からこの建物の可能性を探っていたこともあり「古今プレオープン」期間中にイベント的に出展した際に「貸す予定はないの?」と直接申し出ると、すんなりとお店をオープンするまでに至りました。

「すんなり」といくには、齋藤さんが庄内で20年近く店舗を持たない花屋として、ワークショップやイベントでのお花販売、顧客への販売など、確かな実績があったから。富樫さんとしても、「プロだからまかせて安心」と信頼を寄せています。

お菓子作りの加工スペースとの兼ね合いで、予定より花屋スペースが狭くなってしまったことを気にしていたオーナー富樫さんの気持ちとは裏腹に

「きちんと店舗を構えることで、ふらっと来店してくださったお客様にも自分の選んだお花を見てもらいやすくなりました」と、緩やかにのびのびと営業中のご様子。

そして季節ごとに仕入れるお花とは別に、齋藤さんが大切にしているのが、

「自然の中で咲く野花や、蔓、身近にある野菜だって材料になります」と、庄内の自然の恵みを生かした作品づくり。

凛とした生花とはまた違う味わい深いリースやブーケ、それによって値段も手頃におさえ、購入しやすくなるという消費者に優しい齋藤さんの気遣いもうれしい。

「コーヒー豆を購入したり、飲みにいらしたお客さんが、プレゼント用にってお花を買っていかれるのも、今までではなかったことです。それもね、男性なんですよ。うれしいですね」。

コーヒーとお花、生活にはなくてもいいものだけれど、あったら生活がとびきり豊かになる。そしてそこで自分なりのお気に入りを見つけるのも楽しい時間。

ついついコーヒーを飲みすぎてしまう私はこの日、デカフェと、お家に飾るお花を買い物。2,000円でおつりがきました。これだけで気持ちがウキウキできるって、なかなか素敵なことですよね。

DATA

おやつと居場所古今 cocon
山形県鶴岡市山王町8-18
営業時間:8:30~17:00
定休日:月・他不定休
https://conconcocon.shopinfo.jp

パラディーゾ
営業時間、休業日は古今と同じ
http://paradiso.shop-pro.jp/

花のアトリエ*チョコレートコスモス*
営業時間、休業日などはフェイスブックをご参照ください
https://www.facebook.com/chocos87/  

この記事を書いた人

Honma Satomi

山形県庄内在住のフリーランスフォトグラファー。地域の広告、各種出版物などの取材・撮影の傍ら、庄内の様々な魅力を伝えるべく活動中。
 

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