レポート
「新緑の高館山と善寳寺を巡る旅」
ツアーレポート【2日目】
【2日目】2019.5.19 〜善寳寺、本長へ
ツアー2日目、龍の湯人気の朝食バイキングでスタート。
この日は快晴!お天気に恵まれました。まず、今年のクレードル1月号でも特集でご紹介した祈りの寺「善寶寺」を訪れます。
お寺の門から入って左手にあるのは明治26年に建立された五重塔。塔の側面には十二の干支の動物が彫られていて、自分の干支を探してその方角から拝むと良いそう。みんなで自分の干支探し。「あ、あった!」
登録有形文化財の「五百羅漢堂」。500以上の羅漢像は、その一つ一つの表情が、笑っていたり怒っていたり?ととても豊か。現在も修復が進められています。聞けば、修復にはあと15年ほどかかるのだとか。
坐禅堂へ移動し、坐禅を組みます。足の悪い方は椅子に座って行うこともできます。無音の中、お堂の中には外からの爽やかな風が吹き渡って、自然と心が穏やかになっていくようでした。
積み上げられたたくさんの般若経。これを「転読」という方法で行います。短時間で数行を読み上げ、全てのお経を読んだことにするのです。巻物のお経を右や左に傾けながら「ざざざざっ」と落とすようにしていく様にただ圧倒されました。
本堂のあちこちには蛇紋石(じゃもんせき)という珍しい石が。黒地の石の表面に白い蛇のような跡が浮き上がっています。これは水の力で自然にできあがったものだそう。石に手を触れてから身体の具合の悪いところや痛いところに手を当てると治るそうですよ。
昼は精進料理。盛りつけも各自で行います。お椀にごはんやお味噌汁をよそう際は、全員が無言で行うのがルール。お膳をもらう側は「これくらいで」というタイミングで「無言で」二本指でストップの合図をします。お膳の内容は一言で言ってとてもシンプル。余計なものを一切省いた品々は、身体がほっと一息つくような優しい味わいでした。
食後は、本院から歩いて5分ほどの場所にある「貝喰み(かいばみ)の池」へ。
ここは、池の底に龍神が住むという伝説のある池。また、今から30年ほど前、某週刊誌がここに棲む人面魚を取り上げ、TVなどで大変話題になったことでも有名。当時は「人面魚まんじゅう」という商品もあったくらいです。
そんなことを知ってか知らずか、人面魚は今もここに変わらず元気に泳いでいました。
ツアー最後の訪問先は漬物「本長」さんです。
「本長」さんはここ鶴岡・大山で100年余り地元野菜を使った漬物作りに取り組んできた老舗です。その歴史ある漬物蔵を見学させていただきました。
お店の方の説明によると、ここ近年の健康志向の高まりにより、塩分の多い漬け物はあまり好まれない傾向にあるとのこと(江戸時代の漬物の塩分濃度は20%もあったとか)
そのため、年々漬け物の塩分濃度は下がってきており、現在の浅漬けは2%程度。ビタミン豊富で栄養分が多い漬け物をもっと食べてもらいたい、と話されていました。
ちなみに英語で塩を「salt(ソルト)」と言いますが、給料を意味する「salary(サラリー)」は昔、古代ローマでは兵士への給料を塩で払っていたことからきているのだそうです。
見学の後はお店で試食とお土産選び。商品の全種類を試食することができます。民田なすの辛子漬けや粕漬(蔵王チーズの粕漬は絶品!)、変わり種の「ヤーコン」の漬け物などなど。皆さんたくさんのお土産を手にしていました。
今回の「高館山と善寳寺を巡る」ツアーは今回初の企画でしたが、大変好評をいただきました。山と海の神様のご加護が得られたのか、中には「ツアー参加後、仕事が順調になった!」といううれしい声も。次のツアーもぜひお楽しみに。
Cradle編集部Cradle Editors
庄内の魅力を発信する、出羽庄内地域文化情報誌「Cradle(クレードル)」を隔月で発行。庄内に暮らし、庄内を愛してやまないメンバーたちの編集チームです。